クリスマス・イヴの空港で
from 杉本
ちょっと長いのですが、
どうしてもご紹介したい実話なので、
読んでいただけますか?
「『次のお客様、どうぞ』
カウンター越しに声をかけると、
柔和な顔をした老人が
杖をついて立っているのが見えた。
老人がそろりそろりと
カウンターまで歩いてくると、
聞き取れないほどの小声で
ニューオリンズまで行きたいと言った。
『今夜は、もうそっちへ行く便がありません。
明日までお待ちいただくことになりますが』と言うと
その老人はとても不安げな顔になった。
『予約はしてあるのですか』
と聞いてみたが、
聞けば聞くほど、
いよいよ困った様子で、
ひたすら『ニューオリンズに行けって言われたから』
と繰り返すばかり。
老人はクリスマス・イヴだというのに、
義理の妹に、
『身内のいるニューオリンズに行きなさい』
と車に乗せられ、
この空港の前で下ろされたらしい。
彼女は老人に現金をいくらか持たせ、
『中へ行って、これで切符を買いなさい』
と言って立ち去ったのだ。
私が『明日もう一度来ていただけますか』と聞くと、
『妹はもう帰ってしまったし、今晩泊まるところもない。
このまま、ここで待つことにします』と言った。
私はクリスマス・イヴの夜に、
家族から離れて働く、
ひとりぼっちの我が身を憐れんでいたが、
この老人の事を思って、
私の胸は痛んだ。
私はただちに、
『ご安心ください。
万事うまくやってあげますからね』
と彼に伝え、
顧客サービス係に、
明朝一番の便を、
予約してもらった。
航空運賃も
年金受給者用の特別割引にし、
差額は旅費の足しに、
してあげることができた。
一方、老人は、
くたびれ果てて、
立っているのも辛そうだ。
『大丈夫ですか』と、
カウンターの向こうに回ってみると、
片脚に包帯を巻いている。
こんな脚で、
衣類をぎっしり詰め込んだ買い物袋を下げて、
ずっと立ちつくしていたのだ。
私は車椅子を手配し、
みんなで老人を、
その車椅子に座らせたが、
見ると、足の包帯に、
少し血がにじんでいる。
『痛いですか』と聞くと、
老人は『心臓のバイパス手術をしたばかりでね、
そのために必要な静脈を、
脚から取ったんだよ』
なんということだ!
老人は心臓のバイパス手術を受けたばかりの身体で、
付き添いもなく、
たった一人で!
私は上司の部屋に行き、
どこかに老人を、
泊めてあげてほしいと相談した。
上司はすぐさま、
ホテル一泊の宿泊券と、
夕食と朝食の食事券を出してくれた。
カウンターに戻った私は、
ポーターにチップを渡して
「この方を階下までお連れして、
シャトルバスに乗せてあげて」
と頼んだ。
車椅子の彼の上に身をかがめて、
ホテルのこと、
食事のこと、
旅の段取りを、
今一度説明しながら、
彼の腕を、
とんとんと叩いて励ました。
『すべてうまくいきますからね』
いざ出ていく段になると、
老人は『ありがとう』と頭を下げて、
泣き出した。
私も、もらい泣きしてしまった。
あとになって、
上司の部屋に礼を言いに戻ると、
彼女はほほえんでいった。
『いいわねえ、こういう話。
その人は、あなたのためにやってきた
クリスマスの使者だったのよ』」
(「クリスマスの使者」著者不明)
空港のカウンターで働いていたこの女性は、
クリスマスに、
家族から遠く離れ、
ひとりぼっちで働いている自分を
みじめに思っていました。
「自分の困難から逃れる一番の方法は、
他人に目を向けること」
という一言があります。
つまり、自分の困った事を、
少しでも、小さくしたいなら、
困っている他人を、
助けることから始めなさい、
ということです。
私の義理の姉夫婦は、
離婚して、早朝から働かなければならない女性の子供を、
毎日、朝早く預かって、
子供に朝食を食べさせ、
そこから学校に送り出しています。
私はそれを見て、
「大変だなあ」
と思うのですが、
義理の姉夫婦は、
そのことで、元気を得ているようなのです。
困ったことが起こると、
いつも私は、
この実話や、
義理の姉夫婦のことを考えるようにします。
そうするといつも、
自分よりも困っている人の事を思い出すのです。
育自コンサルタント
−自分を育てるお手伝い−
杉本恵洋(すぎもと しげひろ)
PS. そう言えば、モルツ博士の教えからも、この事を学びました。
http://www.0stresslife.com/zrl/
【素晴らしい…お話】ありがとうございます…。今日、とても落ち込む様な気持ちになりました。でも「霊界通信の本」の中を拝読しまして、つくづく【愛!!愛!!無くしては??】ダメなのです~~ネ!更に!モット全てのもの事に“光明面”を見れる様に“ボディティブな心持”に【転換出来ます事…】更に!モット~モット~明るい方向に行ける様に、私も今“修行中”です。その様な中で、今日は改めて……【世の為・人の為に…此の自他一体の考え】必ず!必要と思います。今!さしあたり時間が無いのですが…?この様に、久しぶりに【感謝】この事を、全てに於きまして【感謝出来る心に転換】していきます。ありがとうございます「育児コンサルタント 杉本様」へ
ありがとう杉本さん
問題が起きるのも、問題も根本は愛に起因するのかなと我が身を思いました、
人は自分が大切にされたり、優しくされたりすれば感謝の気持ちが湧きますね
困っていればいるほど有りがたいと思います
人の助けになった時は自分自身がなんとなく誇らしく思ったりもします、
人を助けるチャンスは常日頃あるけれど
なかなかやれてないなぁと思います
せっかくのギフトなのに。
ありがとう。
自分の人生が困難に陥っていた時、私は敢えて介護の仕事を選びました。人の役に立つということで自分自身の自信のなさであったり、悩みを忘れることができました。でもし、数年経つにつれて、私は自分のネガティブな状況を他者に「転化」しているだけだと気づきました。気分転換はできても「状況」は何も変わらなかったからです。「辛い時に他者に目を向ける」これはとても大切なことです。
けれど目をそむけても何も解決しない。一時的な療法に過ぎない。
自分が不幸な時、自分よりも不幸な人に目を向けるよりも、敢えて自分より幸せな人に目を向け(それがたとえ辛くとも!)上を向いて歩いたほうが結局は自分と他者の発展につながるのです。このお話は素晴らしいし、この女性も上司も素晴らしいと思います。
思いやりと親切は必要不可欠。けれど、それが「与えているものか」それとも、「憐れみや同情心」なのかを吟味すると良いと思います。
なぜなら、同情や哀れみや犠牲心は自己不信からくる単なる感情の転化である場合が多いからです。本当の愛は強い自信から溢れ出ます。おそらくこの女性はそれほど自分がみじめだとは感じていなかったと思いますが。
とっても感動して涙があふれてきました。私や私の周りにはちょっとした悩みや不安が充満しています。自分のことだけ考えていると不幸のどん底みたいに思われて、抜け出すことが出来ないけど、他人を思いやることで自分がどれ程救われているのかが分かります。
朝から素晴らしい話をありがとうございました。なんだか事件性のある話しではありますが、それ以上に空港の人たちの温かみが伝わって来ました。
二十歳のとき・・・勤労学生で、ずっと病弱な家族を支えていた頃の話。
祖母の大手術のため、付き添いしていたとき、私は3人の高齢の女性達と同室になった。
一人は、肝癌の末期なのに、無理やり家族に手術を受けさされ、オペ直後にかかわらず強制的に歩かされていた。夜になると、首が痛い痛いというので、私がマッサージしてあげるとすやすや眠り、翌朝感謝された。 二人目は、見舞いはなく、看護婦さんにも頼まず、部屋に人がいないときに「目が見えないから、手と足の爪を切って」と。終わるとほっとされている様子だった。 三人目は、たまに家族は見舞いに来るけど、人がいなくなったとき「顔のきわぞりをして」と。ほっぺや口周りのしわを伸ばしながら、きわぞり無事完了。すごく喜んで下さった。それから1ヵ月後、他界されたと聞いた。
人生の卒業間際の、彼女達の心境を思うと、何度かやってくる人生の向かい風にも、まだまだ頑張れる気がするのです。
心がぽっと温かくなりました。
分ける、尽くす、お互いさま・・・
もちろんできる範囲内でではありますが、自分にできることをする。
精一杯にするのは、なにも自分のことだけにとどまらないように思います。
「ありがとう」っていう言葉が満ちあふれた生活をしたいとあらためて思いました。
今日も、いっぱいありがとうを言おうと、ささやかなことに感謝しようと思います。
改めて気づかせてくれたことに、とても感謝します。ありがとうございます。
二十歳のとき・・・高校からずっと勤労学生で病弱な家族を支えていた頃、祖母の大手術を受ける入院のとき付き添いしていて、私は3人の高齢の女性達と同室になった。・・・
一人は、末期がんで助からないのに、家族に無理やりオペを受けされ、翌日から歩かされていた。夜になると、首が痛くて眠れない(おそやく転移)というので、マッサージしてあげたらすやすや寝られ、翌朝感謝されたが、あっという間に家族が連れて帰った。もう一人の女性は、誰一人お見舞いもなく、看護婦さんにも言わず、誰もいなくなったとき、「目が見えないから、足と手の爪を切って」と。早々つんであげたら、喜んで下さった。もう一人は、やはり人生の卒業を感じていたらしく、「顔のきわぞりをして」と頼まれた。ご家族はたまにいらしたけれど。口周りやほっぺを膨らませてもらいながら、クリームを塗り、切り傷をつけずにきれいになった。「鏡を見せると喜んで下さった。1ヵ月後、他界されたと聞いた。
人生で、大変なことは、何度もやってくるけれど、最期を迎える頃に、彼女達のおかれた状態を思うと、また、頑張ろうと思うのです。・・・
試練とはプレゼント・・・ふと、そんな言葉が浮かんできました。ちょっと、心の安定を取り戻すためにこちらに来てしまいました。多くの人がネガティブなこととして捉えることをポジティブにとらえていく考え方があることを、この3年で学んできました。これができるようになれば、日々の些細なことからでも幸せを感じることができるようになります。もともと環境がよく、自然体でもこの幸せを感じることができる人であればよいのですが、最悪を考えがちな人にとって、このようなネガティブからポジティブへの変換ができるようになることは精神衛生的にも役立ちます。コミュニケーションにおいて、信頼関係が確立するまでは、誤解などによりお互いを傷つけてしまうこともあります。それが無意識だったとしても結果的に相手を傷つけてしまっていたのなら、気づいた時に改善するための行動を取るしかありません。この傷つくことをしたくないため、自分の心を開くことを多くの人がためらってしまうのでしょうか?たしかに・・心の痛みは他人から見えないので自分が抱えなくてはなりません。それに耐えるよりも、その状態にならないようにした方がよいと選択してしまうのでしょうね。以前の私もそうでした。~~『解釈』~~これによって、悲しみや辛さに意味を持たせることができる。意味を持たせることができれば、挫けない。・・・これで、いいはず・・・。『継続』、頑張ろう!
読ませていただき、今日1日が素晴らしい日になりそうです。
このあたたかな気持ちを身近な人たちに伝えたいと思います。
ありがとうございました!!
読ませていただき、今日1日が素晴らしい日になりそうです。
この幸せな気持ちを他の誰かに伝えようと思います。
ありがとうございました!!
素晴らしい!!素晴らしい!!。朝から感動しました。
この感動を持って 社員の朝礼に出ます。
有り難う。有り難う
身につまされる話です。
自分は不幸のどん底だと・・・つい、そう思いがちなこのごろです。
作り話ではあるでしょうが、でも自分より困っている人が沢山おり、さらにその人たちは、案外笑い顔が絶えない。
まだまだ自分は幸せなんだなぁ・・・
現代の人々が忘れかけている。そんな思いを感じながら読ませて頂きました。
いい話。
以上の感動です。
この記事を、転載させていただいてもいいでしょうか?
その老人が身体上大変な状態でありながら、付き添いもなくなぜ一人で旅をしなければならなかったのか少し気がかりではありますが、空港で働いている女性とその上司が感じたように、心があたたまるとても良い話ですね。
きっと空港で働いている女性を励ますクリスマスプレゼントだったのでしょうね。
今日の早朝にこの話を読ませていただき、今日は一日温和な心で人に接することができます。
有り難うございました。